阿部 |
ここにあるのが枝垂桜になります。 ソメイヨシノとなると、 桜の見栄えはいいんだけれど、 江戸時代後期のものなので、 時代的に認められないそうです。 |
―― |
はー、 時代が違うから。 |
阿部 |
そう、中世のお城なので、 ダメだと。 |
―― | 合わないんですね。 |
阿部 |
江戸時代のものは合わない。 枝垂桜というのは むかしからあったものだそうで、 わざわざ、身延町(山梨県)から 持ってきたんです。 というのも、初代南部実長は その久遠寺の正面に枝垂桜があります。 |
―― | そうなんですか。 |
阿部 |
枝垂桜はここに155本あるんですけど。 あと何年か経てば、 すごい大きくなると思います。 ソメイヨシノの3倍長持ちするんですよ。 |
―― | 花がですか? |
阿部 |
はい、花が。 花のつぼみが多いからでしょうね。 見事なものですよ。 |
―― |
そうですか。 その季節に来たいですね。 |
阿部 |
あちらにあるものが、 身延から持ってきた桜なんですけど、 下がポコッとなってますよね。 |
―― | はいはい、なってますね。 |
阿部 |
掘れば下に城跡の穴があるので、 跡を保護するという意味で、 そのまんま置いて 土をかぶせたということになります。 |
―― |
なるほど。 保存の上に復元がある、といえますね。 |
一同 | (?) |
阿部 |
ところで、 ここに穴がありますが―― |
阿部 |
馬がここに来ますと、 馬が神経質なので、 怖がってここを通れなくなるそうです。 で、戦になると、橋を落として。 |
―― |
敵が通れないように。 はー、いろいろ仕掛けがあるんですね。 |
阿部 |
そして、 外からお殿様とか家臣とかが来ると、 ここで、馬を下りて―― |
阿部 |
こちらの北門を馬が行く。 身分が低い人も。 |
阿部 |
そして、こちらの東門は大手門として お殿様とか、家臣団がいく。 だから、こういう風に小さな石が しいてある。 |
―― | あぁ、こういう風になってたんですか。 |
阿部 | はい。 |
―― |
あっ、料金所がありますね。 料金払います。 |
(つづきます) |