03.わざわざ、身延町から持ってきた

阿部 ここにあるのが枝垂桜になります。
ソメイヨシノとなると、
桜の見栄えはいいんだけれど、
江戸時代後期のものなので、
時代的に認められないそうです。
―― はー、
時代が違うから。
阿部 そう、中世のお城なので、
ダメだと。
―― 合わないんですね。
阿部 江戸時代のものは合わない。
枝垂桜というのは
むかしからあったものだそうで、
わざわざ、身延町(山梨県)から
持ってきたんです。

というのも、初代南部実長は
日蓮聖人に身延の山を与え、
日蓮は草庵を建てました。
それが日蓮宗総本山久遠寺の始まりです。

その久遠寺の正面に枝垂桜があります。
初代実長ゆかりの身延町の人たちから
オープン時にご寄付いただいたものが
この枝垂桜なのです。

―― そうなんですか。
阿部 枝垂桜はここに155本あるんですけど。
あと何年か経てば、
すごい大きくなると思います。
ソメイヨシノの3倍長持ちするんですよ。
―― 花がですか?
阿部 はい、花が。
花のつぼみが多いからでしょうね。
見事なものですよ。
―― そうですか。
その季節に来たいですね。
阿部 あちらにあるものが、
身延から持ってきた桜なんですけど、
下がポコッとなってますよね。
―― はいはい、なってますね。
阿部 掘れば下に城跡の穴があるので、
跡を保護するという意味で、
そのまんま置いて
土をかぶせたということになります。
―― なるほど。
保存の上に復元がある、といえますね。
一同 (?)
阿部 ところで、
ここに穴がありますが――
阿部 馬がここに来ますと、
馬が神経質なので、
怖がってここを通れなくなるそうです。
で、戦になると、橋を落として。
―― 敵が通れないように。
はー、いろいろ仕掛けがあるんですね。
阿部 そして、
外からお殿様とか家臣とかが来ると、
ここで、馬を下りて――
阿部 こちらの北門を馬が行く。
身分が低い人も。
阿部 そして、こちらの東門は大手門として
お殿様とか、家臣団がいく。
だから、こういう風に小さな石が
しいてある。
―― あぁ、こういう風になってたんですか。
阿部 はい。
―― あっ、料金所がありますね。
料金払います。
(つづきます)
まえへ はじめにもどる