「史跡根城の広場」の入り口に
ログハウスがあります。

その中にいらっしゃるのは
史跡根城を案内してくださる
ボランティアガイドのみなさんです。

史跡根城のことなら
なんでも知ってるといっても過言ではない、
ボランティアガイドさんは
無料で(※)史跡根城を案内してくれます。
※本丸入場料は有料となります。
入場料はこちらのページをご参照ください。

今回、そのボランティアガイドの
阿部清志さんに
史跡根城を一緒に歩いていただきました。

ガイドさんと歩くから分かる
史跡根城の魅力。
ちょっとだけ紹介しますね。


もくじ

-掲載中!- 01.上書き保存がなかった
-掲載中!- 02.全国、ここだけ
-掲載中!- 03.わざわざ、身延町から持ってきた
-近日公開- 04.武家屋敷を参考に
-近日公開- 05.南部の馬のヒミツ
-近日公開- 06.頭をぶつけないように
-近日公開- 07.充分、魅力はあると思うんです

01.上書き保存がなかった

―― 今日はよろしくおねがいします。
阿部 こちらこそよろしくおねがいします。
それでは、早速。
―― はい、行きましょう。
阿部 あちらに
銅像がみえますよね。
―― 師行(もろゆき)さんですね。
阿部 はい。
南部師行という人で、
ここの初代になります。

建武元年、鎌倉幕府が倒れたすぐあとの、
1334年に甲斐国(山梨県)から来ました。

―― わざわざ、山梨から。
阿部 当時、後醍醐天皇による建武の新政で
東北地方を統治するために北畠顕家が
陸奥国の国司となりました。

南部師行は顕家の命によりこの地に来て、
北東北を治めるための
根の城として「根城」を築いた
ということになります。

―― はー。
根の城、根城。
阿部 地図の色がついたところが南部領です。

「三日月の丸くなるまで南部領」
つまり、三日月のとき出発して、
満月の日になっても南部領だと
言われるくらい広かったようです。

―― すっごい。
青森県全部と、
秋田県北、岩手県は遠野まで。
ものすごく広大な土地を治めたということですね。
阿部 これだけ、
勢力があったということです。
―― 意外にすごかったんですね。
意外に、って言ったら失礼か(笑)
阿部 そして、居城が約300年。

同じ一族がこれだけの長さ
同じところに居住したとなれば、
全国でも根城と薩摩の島津家
ということになります。

「うちでも……?」という方も
いらっしゃいましたが。

―― へー、ここと薩摩だけですか。
これまた、意外です。
阿部 パソコンでいえば、
「上書き保存がなかった」
ということですね。
よその苗字の人が入らずに、ずっと。
―― それは、大変なことですよね。
阿部 そうですね。

そして、
ここのお城は平城といって、
平地に作ったお城。

ふつう、お城といえば、
天守閣のようなものを
どうしても想像してしまうのですが、
根城は平城でも十分な防御力を
もっていたのではないでしょうか。

―― そうなんですか。
阿部 では、行ってみましょうか。
―― はい、入りましょう。
(つづきます)
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